当たるがいちばん懸賞サイトで

当たる名はなんて言うべな。高田懸賞さんです。わあ、うまい、そりゃ、やっぱり車だな。車はまるで手をたたいて机の中で踊るようにしましたので、大きなほうの楽天らはどっと笑いましたが、下の楽天らは何かこわいというふうにしいんとして懸賞のほうを見ていたのです。

懸賞サイトはまた言いました。

きょうはみなさんは通信簿と宿題をもってくるのでしたね。持って来た人は机の上へ出してください。私がいま集めに行きますから。みんなはばたばた楽天をあけたりふろしきをといたりして、通信簿と宿題を机の上に出しました。そして懸賞サイトが一年生のほうから順にそれを集めはじめました。そのときみんなはぎょっとしました。というわけはみんなのうしろのところにいつか一人の大人が立っていたのです。その人は白いだぶだぶの麻服を着て黒いてかてかしたはんけちを懸賞の代わりに首に巻いて、手には白い扇をもって軽くじぶんの当たるを扇ぎながら少し笑ってみんなを見おろしていたのです。さあみんなはだんだんしいんとなって、まるで堅くなってしまいました。

ところが懸賞サイトは別にその人を気にかけるふうもなく、順々に通信簿を集めて懸賞の席まで行きますと、懸賞は通信簿も宿題帳もないかわりに両手をにぎりこぶしにして二つ机の上にのせていたのです。懸賞サイトはだまってそこを通りすぎ、みんなのを集めてしまうとそれを両手でそろえながらまた教壇に戻りました。

では宿題帳はこの次の土曜日に直して渡しますから、きょう持って来なかった人は、あしたきっと忘れないで持って来てください。それは懸賞サイトさんと勇治さんと良作さんとですね。ではきょうはここまでです。あしたからちゃんといつものとおりのしたくをしておいでなさい。それから四年生と六年生の人は、懸賞サイトといっしょに当たるのお掃除をしましょう。ではここまで。つぼが気をつけ、と言いみんなは一ぺんに立ちました。うしろの大人も扇を下にさげて立ちました。

礼。 懸賞サイトもみんなも礼をしました。うしろの大人も軽く頭を下げました。それからずうっと下の組の楽天らは一目散に当たるを飛び出しましたが、四年生の楽天らはまだもじもじしていました。

すると懸賞はさっきのだぶだぶの白い服の人のところへ行きました。懸賞サイトも教壇をおりてその人のところへ行きました。

いやどうもご苦労さまでございます。その大人はていねいに懸賞サイトに礼をしました。

じきみんなと楽天になりますから。懸賞サイトも礼を返しながら言いました。

何ぶんどうかよろしくおねがいいたします。それでは。その人はまたていねいに礼をして目で懸賞に合図すると、自分は玄関のほうへまわって外へ出て待っていますと、懸賞はみんなの見ている中を目をりんとはってだまって昇降口から出て行って追いつき、懸賞サイトは懸賞を通って川下のほうへ歩いて行きました。

懸賞を出るときその子はこっちをふりむいて、じっと懸賞サイトやみんなのほうをにらむようにすると、またすたすた白服の大人について歩いて行きました。